「持込料」廃止。
2019年5月13日 月曜日
大半の結婚式場特有のルールに「持込料」(保管料)という料金設定がある。
簡単に言えば、会場が指定する業者や商品以外を利用する場合は、料金を払ってくださいね、というものだ。
一般の方からすれば理不尽に思われるかもしれないが、会場側からすれば当然である。
各業者には年間ある程度の組数の送客を保証する代わりに多額のマージンを受け取っているし、引出物や招待状などを持ち込まれても
結局、会場側が検品や確認をしなければならない。料金ももらっていない招待状や席次表を確認する必要もないじゃないか、と思われるかもしれないが
そうはいかない。もしその招待状に誤植などがあれば、ゲストは会場のミスだと思ってしまう。もっと言えば、持込料をもらわなければ当然売上や利益も下がるので莫大な広告費も捻出できない。
なので、持込料を設定するか持込そのものを拒否するしかない。
しかし、弊社では先日、自社会場ではすべての持込料を廃止した。
この業界でお世話になって約15年程度経つ。職種柄さまざまなジャンルの結婚式場のお手伝いもさせていただいている。
当然、クライアントは各会場様なのでそこのルールに従う。そういった中で自社会場くらいはもう少し自由であってもよいのではないか、と感じた。
先日、自社会場の披露宴にたまたま最初から最後まで関わることができたが、それはもう自由そのものであった。持込のものも多く経営者の立場からすれば、利益が出ているのか若干心配でもあったが、何よりも担当者や新郎新婦、ゲストの満足そうな表情を見ていると何も言えないどころか、これもいいのではないかと感じた。(本来フレンチなのだが、新郎新婦の希望で世界の料理ということでトムヤムクンやコシャリを作らされていたシェフには本当に感謝しかない。さすがに慣れない段取りで披露宴が20分延びたが、もはやどうでも良かった(笑))
貸切型なので、シェフや飲料、スタッフ、什器も持込OKにした。
仮にすべてを持込にすれば会場費や音響システムの使用料や厨房使用料、ごみの処分費くらいである。
売上も下がるし、業者からのマージンも入らないので、当然広告など出稿できない。かまわない。
もちろん、検品や確認は弊社スタッフがする。
15年も同じことをしていると原点を求め始める。
(マンションなどの大規模な修復工事の周期も15年らしい。)
巷の広告ではしょっちゅう「自由」「ふたりらしく」「アットホーム」「オリジナル」「ゲストに喜ばれる」というような言葉が
出ているが、本当の「自由」「オリジナル」とは何なのかを考えさせられる。
「結婚」のセレモニー&パーティの原点とは何なのか。
健康食品のコマーシャルに青汁やしじみなどいかにも健康になるようなイメージだが、そうではない。それだけに関して言えば人間の体にとってマイナスではないというレベルである。まず心が健康でなければならない。古今東西、人が良く言うセリフの上位に入ると思うが「がんばれ!」というのも同じく。要するにこちらは何も出来ないから何とか自力で乗り切ってね、と言っているに過ぎない。
健康?食品を売っているわけではないのだからうわべだけではいけない。
新郎新婦とゲストと会場の3者がそれぞれの立場を尊重し良識と信頼関係ができれば、ルールは排除できるのではないか。
・・・という気持ちを持ってはいたい。